イギリス大学院 開発学 留学日記 @Manchester

2008年9月よりイギリス、マンチェスター大学院に留学しています。 この日記が、いつか誰かの道しるべになることを♪

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キプロスのBOTプロジェクト

キプロスのField Tripから帰りました。
いつもきままな自由旅行なので、11日間のグループ行動は長く感じましたが、クラスメートとの新密度が高まり良い機会でした。

今回、自分の中での目玉は、BOTで建設中のLarnaka新空港と、既に運営段階に入っているLarnaka海水淡水化プラント訪問
大学のコースで学んだ内容では、PFI事業のデメリット(効率性向上への疑問等)も勉強していたのですが、今回見た様子では問題は発生せず、行政側に有利に進んでいる印象を受けました。

airport tob desalination
(写真:左 新空港内部、右 淡水化プラント)

感想は以下です。

---------------------------
<ラルナカ新空港>

約6.3億ユーロ(約900億円)で25年契約。
今年の夏から運用予定の新空港で、着々と建設が進められていました。
行政側と建設業者の双方から話を聞きましたが、最も驚いたのはこの規模の事業に対して行政の担当者が数名ほど(?)しかいないことで、詳細検討・ネゴは外部コンサルに委託していたそうです。
契約は4~5年前、その後、建設の主要時期は1~2年前の最も資材費用が高騰していた時期らしいので、建設業者側の負担が大きくなり、行政側が得をしたと想定できました。


ラルナカ淡水化プラント
5万トン/日の水量を作る浄水場です。
4700万ドル(約50億円)で10年契約。浄水処理費用は0.7Euro/m3程度。

・費用はエネルギー回収システムの向上で比較的安く抑えている。
・RO処理は水温に処理効率が左右されるため、温暖で水温変化の少ない地中海の気候は本手法に適している。
・処理方法は全システム処理されるため、従事者は非常に少ない。
・生産水の買取を政府が保証しており、建設業者のリスクを減らしている。契約期間は10年と短い。


向上しているとはいえ、処理費用は安くなく、途上国には向かない処理方法かとは思いましたが、譲渡期間まで10年という短期間での利益回収に驚きました。
同様のBOT手法を使えば、別の浄化手法でも途上国で水道施設を整備することが可能かもしれない・・・ということで有益でした。

以上、ちょっと専門的でしたが、感想まで。

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コメント


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10年で回収ってことは、政府の費用負担がかなり高そうな気がする。それだけ国民から高い水道代を回収するのだろうか。
いままで浄水施設がなく、ギリシャから輸入していたと聞いたんだけど、それよりは費用面で安く抑えられるってことなのかしら。

Nozomi | URL | 2009年04月15日(Wed)23:36 [EDIT]


おもしろそうな事例ですねー。

何点か気になったこと。。

建中の物価変動、それから金利変動も、発注者側が負担するのが一般的だと思います(少なくとも日本では)。
もちろんキメの問題ですが、民間に負担させると、リスクを多めに見積もって入札金額が高くなり、結局発注者側が損するだけなので。

それから浄水場のBOT。
BOTの契約期間と、(政府にとっての)利益回収の期間は別なのでは?よかったら説明補足してくださいませー

あまる | URL | 2009年04月16日(Thu)15:21 [EDIT]


>nozomi
水道に関して、日本では交付金などによる政府負担はありません。
多分キプロスも一緒で、多少水道料金は高くなると思う。
ただGDP/capitaが2万ドルもあるらしいので、負担は大きくないんだろうな。
ちなみに東京の水道料金はm3あたり100円ちょっと程度だと思う。

それと、輸送よりは当然水の購入費もかかるわけで、それよりは安いでしょう。

trans | URL | 2009年04月16日(Thu)18:19 [EDIT]


>amal
空港案件では、需要減によるリスク回避はされていると説明されたけど、それ以外は業者負担の印象をうけた。細かくは聞けてないです。

あと、政府は費用を出してない案件なので、記載したのは業者の利益回収の意味で書いた。
どっか間違えていたら、教えて m- -m

trans | URL | 2009年04月16日(Thu)18:23 [EDIT]


>政府は費用を出していない案件(淡水化プラントの方)

まちがってるってことはないと思うけど、
以下教えてもらえると、事業の全体像がつかめるかな。

・事業者の収入は?(ユーザーからの料金収入だけか)
・4700万ドル(約50億円)は何の金額か?(契約金額ではない?)
・10年後の譲渡は無償譲渡か?

10年で利益回収って、やっぱり目を引くから、
本当なら理由をちゃんと知りたいですv-21よろしく~

あまる | URL | 2009年04月18日(Sat)12:36 [EDIT]


久し振り!年度末は鬼忙しくてブログを覗くこともままならない毎日で、なんだかコンサルにいたころよりも忙しかった気がするよ。

それで、久しぶりに見たらちょっと興味深い内容だねぇ

今行政と一緒に国の決めた費用負担率での協定に基づく事業に携わっているから、お金の清算についての考え方が、当たり前だろうけどPFI事業とは違うんだなぁって思ったよ

協定事業に対する清算は年度毎に実費で処理するから、うちの会社としては損得はないんだ。そこには、事業を実施する行政側の理由と、民間であるうちの会社での思惑が別にあるから、PFI事業のように利益を生むことを目的としていないことが全く違うんだけどね。若干政治も絡んでるんだとおもうけど。

ただ、監督費として年度の事業費に対する1割弱のおこずかいはうちの会社に支払われる。

それらの金を年度毎にその行使額の清算額に対する確認が馬鹿らしいくらい大変。公的なお金が入ると透明性公正性ってのが昨今は異常なくらい確認されるようになっててね。
また、資材価格に変動があれば協定変更で対応してるよ、建設会社潰れちゃうんもんね。

そういえば、最近は上下水道事業は日本企業はかなり後手で、欧州のスエズやヴェオリアが日本に参入してくる日も近いなんて記事も目にしたなぁ、どうなるんだろうね。

けんたろう | URL | 2009年04月19日(Sun)13:59 [EDIT]


>amal
・事業者の収入は?(ユーザーからの料金収入だけか)
→料金収入のみかと思います。

・4700万ドル(約50億円)は何の金額か?(契約金額ではない?)
→契約金額(=初期投資金額)だと思われます。
手元にある論文だと、年間1300万$の収入があるらしく、その金額は、「購入費0.79$/m3」x「生産量1800万m3/年」=
「1422万$/年」にほぼ等しいです。
初期投資47mill$で、毎年13mill$ずつ収入があれば、割引率なしのIRRで20%超えなので、10年でも事業が成り立つよね?

・10年後の譲渡は無償譲渡か?
→無償。

trans | URL | 2009年04月22日(Wed)17:56 [EDIT]


うーん、こんがらがる。

ランニングのコストはいくらorどれ?

年間13mill$の収入というのが、ランニング(O&M)を差し引いたものだったらIRRは20%超で正解だね。
そんなに儲かるなら、なんで10年で譲渡なのか、民営でもいいと思うし、なんで政府が生産水の買取保証しなければいけないのか、など疑問は残るけど。
 

あまる | URL | 2009年04月23日(Thu)02:23 [EDIT]


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